2020年7月15日(水) 14:00からの選考委員会で受賞作品が決定する
第163回芥川賞/直木賞ですが、すでに候補作品は発表されております。
そこで今回は各賞の候補者/候補作品を一覧にまとめてみました。
すでに単行本になっているものはそちらも紹介していますので、
気になる作品は受賞作発表前に読んでみてはいかがでしょうか?
第163回芥川龍之介賞 候補作品
(作者名50音順)
石原 燃(いしはら ねん)『赤い砂を蹴る』
●掲載誌:文學界 6月号
候補作『赤い砂を蹴る』の単行本はすでに注文可能となっています(7月13日発売)
社会派作品で評価の高い、
劇作家・石原燃の小説デビュー作にして、
第163回 芥川賞候補の注目作!
「お母さん、聞こえる? 私は、生きていくよ。」
画家の母・恭子を亡くした千夏は、
母の友人・芽衣子とふたり、ブラジルへ旅に出る。
芽衣子もまた、アルコール依存の夫・雅尚を亡くした直後のことだった。
ブラジルの大地に舞い上がる赤い砂に、母と娘のたましいの邂逅を描く。
渾身のデビュー小説!
岡本 学(おかもと まなぶ)『アウア・エイジ(Our Age)』
●掲載誌:群像 2月号
単行本は2020年7月31日発売予定で、現在予約受付中です。
第163回芥川賞候補作。
一緒に、塔を探しに行かないか? 生き迷う男。謎を残して死んだ女。…大学教師の私に届いた、学生時代にバイトをしていた映画館からの招待状。映写室の壁に貼られたままの写真に、20年前の記憶がよみがえる。
引用元:https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-06-520839-7&Sza_id=MM
芥川賞の候補に選ばれました。 https://t.co/tCJsux2lrg
— 岡本学 (@early_gimlet) June 15, 2020
高山 羽根子(たかやま はねこ)『首里の馬』
●掲載誌:新潮 三月号
単行本は2020年7月30日発売予定で、現在予約受付中です。
この島のできる限りの情報が、いつか全世界の真実と接続するように。沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。
中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいるひとたちにオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。
ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできて……。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。
現在、新潮社のサイトにて序盤部分が公開されています。
遠野 遥(とおの はるか)『破局』
●掲載誌:文藝 夏季号
『破局』の単行本はすでに発売済みです。
私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。
【第163回芥川賞候補作】2019年文藝賞でデビューした新鋭による第2作。
三木 三奈(みき みな)『アキちゃん』
●掲載誌:文學界 5月号
こちらの単行本出版情報は見つけられませんでした。
第163回直木三十五賞 候補作品
(作者名50音順)
伊吹 有喜(いぶき ゆき)『雲を紡ぐ』/文藝春秋
「分かり合えない母と娘」
壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるか?
羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショールだった。
ところが、このショールをめぐって、母と口論になり、少女は岩手県盛岡市の祖父の元へ家出をしてしまう。
美緒は、ホームスパンの職人である祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。
実は、とてもみじかい「家族の時間」が終わろうとしていた――。
「時代の流れに古びていくのではなく、熟成し、育っていくホームスパン。その様子が人の生き方や、家族が織りなす関係に重なり、『雲を紡ぐ』を書きました」と著者が語る今作は、読む人の心を優しく綴んでくれる一冊になりました。
今村 翔吾(いまむら しょうご)『じんかん』/講談社
仕えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くすーー。
民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした」青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか?
時は天正五年(1577年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かしたときに直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。
貧困、不正、暴力…。『童の神』で直木賞候補となった今最も人気の若手歴史作家が、この世の不条理に抗う人すべてへ捧ぐ、圧巻の歴史巨編!
©Shogo Imamura
澤田 瞳子(さわだ とうこ)『能楽ものがたり 稚児桜』/淡交社
〈能の名作からインスパイアされた8編の物語〉
〈破戒、裏切り、嫉妬、復讐。今、最も注目される歴史作家があぶり出す人間の情念〉
能の曲目のストーリーを下敷きにした8編の時代小説集。
「やま巡り─山姥」
「小狐の剣─小鍛冶」
「稚児桜─花月」
「鮎─国栖」
「猟師とその妻─善知鳥」
「大臣の娘─雲雀山」
「秋の扇─班女」
「照日の鏡─葵上」。
引用元:
遠田 潤子(とおだ じゅんこ)『銀花の蔵』/新潮社
大阪万博に沸く日本。絵描きの父と料理上手の母と暮らしていた銀花は、父親の実家に一家で移り住むことになる。
そこは、座敷童が出るという言い伝えの残る由緒ある醬油蔵の家だった。家族を襲う数々の苦難と一族の秘められた過去に対峙しながら、少女は大人になっていく――。
圧倒的筆力で描き出す、感動の大河小説。
馳 星周(はせ せいしゅう)『少年と犬』/文藝春秋
傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。
2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……
犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!