安倍首相がときどき「もくと」と読んで話題になる「目途」について調べてみました。
そもそも「もくと」という読み方を私は初めて聞きました。
安倍さんが答弁で「○○をもくとに・・・」と言っているのがテレビから聞こえてきて、「んっ、なにかの誤読か?」と最初は思いました。
文脈から、私が思っていた「目途(めど)」のことだろうと推測できましたが、これが調べようと思ったきっかけです。
「目途」ですが、広辞苑第6版では「もくと」と読み、意味は「めあて。見込み。めど。」となっています。「目途」に「めど」という意味はあるけど、「めど」とは読まないようです。
まず、「目途」は「もくと」と読むことがわかりました(知らなかった・・・)。
今回の記事と同じ話題を取り上げている他のサイトでは、文化庁「言葉に関する問答集17」(1991年)の見解を引用していました。私の手元にそれがないので確認できないのですが、「○途」と書いて「~ど」と読むものは「先途」と「冥途」の2つだけらしいです。
なので、「目途」は「もくと」としか読むことができません。
また、パソコンで「めど」と入力して出てくる「目処」ですが、「処」には「ど」という読み方はありません。(新漢語林第二版)
「目処」を「めど」と読むこともできません。
以上より、「めど」という言葉を使いたい時は、ひらがなで表記することが適切と言えるでしょう。
(こうなってくると、辞書などにしっかり「目処(めど)」という項目があることも気になってきますが、今回はスルーします)
やや強引なまとめですが、
- 「目途」の読み方は「もくと」
- 「目処」の「処」は「と」と読めない
- 「めど」という単語を使いたいときはひらがな
というところでしょうか。
批判するときはしっかり証拠・根拠を確認した上でしましょう。
そもそも揚げ足をとったところで何にもならないと思うのですが・・・。
参考ですが、「めど」の語源を以下からお借りしてきました。